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- 駒沢ランチ
駒沢こもれびプロジェクトのひとつに、「駒沢の生活史」というものがあります。
生活史とは、「ある人が、どのように生まれ育ち、周囲とかかわりながら、そこでどう生きてきたか」をまとめたもの。40名の参加メンバーそれぞれが、駒沢に住んでいたり縁があったりするひとへ話を聞きに行き、1万字の文章としてまとめます。
生活史の公開は、2025年1月から。この「駒沢こもれびマガジン」内にて。
詳しくは、公式サイトからどうぞ。
今、参加メンバーは、粛々とそれぞれの作業を進めています。完成ももちろん楽しみですが、生活史の面白さは、その過程にもあるような気がしています。スタッフ・熊谷が書き溜める「駒沢の生活史・制作日記」から、その片鱗を覗いてみてください。
前月号から覗きたいかたは、こちらから。
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7/3(水)
7月13日の顔合わせ・オリエンテーションに向けて、準備が始まる。駒沢の生活史ファシリテーターの西村さんとともに、当日のタイムライン、必要な持ち物などを調整する。これから本格的に始まっていくメンバーとのやりとりは、どんなツールを使うといいだろう?ということも話す。メーリングリストを作ることにした。事務局のわたしができることは、よりよいコミュニケーションしかない。始まりを丁寧に整えるのが大事だと思う。
7/5(金)
参加メンバーのみなさんへ、オリエンテーションについて、案内メールを打って送る。当日は西村さんの提案で、オリエン後にお茶会を開くことにしている。今は文字上での印象しかないメンバーのみなさんと会って話せるのが、純粋に楽しみ。
7/9(火)
聞き手(メンバー)が、話を聞くひとに「駒沢の生活史」プロジェクトを説明するための資料を準備している。西村さんが主導して。プロジェクトの語り方を決めていくことは、「このプロジェクトは何なのか」を自分自身に知らせることでもある。まだ「生活史」って何なのか?を、自分は掴めていないなと思う。
7/10(水)
西村さんが先行して行ったという生活史のサンプルを、参加メンバーに共有。わたしも読む。かなり繊細なところ、センシティブだろうと思われる内容なのに、読んでいて、あぁ、楽しそうでいいなあと思う。きっと話せてよかったんだろうな、ということが、しみじみ伝わってくる。
7/13(土)
オリエンテーション当日。これまでメールと文面でしか知らなかったひとたちが、立体的になった。安心。よい雰囲気だった。終わりにはお茶会を開いた。こうしてメンバー同士が話す時間が、町にとっても、きっといいものなのかもしれない。「このひとたちとやっていくんだ」という実感が、今更だけれども湧いてきた。わたしは事務局(裏方)として、このひとたち全員が、話し手との時間を、おだやかに安心して終えられるように尽くすのが役目。
7/14(日)
参加メンバーへ、昨日のオリエン資料と来週20日のワークショップの案内を送る。と、西村さんからフィードバックのメール。「あまり丁寧すぎる言葉遣いをとらない方がいい。お客様じゃなくて、一緒にプロジェクトを進める仲間に送っているのだから」。そうだな、と腑に落ちる。40人に向けて送るぞと思うと構えてしまって、過剰にていねいになってしまうけれど、そうそう、仲間なのだった。心づもりを整えてもらった感覚。20日のワークショップ前に、オリエンテーションに参加できなかったひとに向けた復習タイムを設けることになった。
7/17(水)
メーリングリストでやりとりが始まる。西村さんからの投げかけに、アドバイザーとして参加くださっている、『東京の生活史』経験者のイトウヒロコさんが応答。「とにかく『語り』が大切なので、いろいろ策を考えすぎなくてもいい」「東京の生活史では、語り手を傷つけないことが最重要だった」という言葉が印象に残る。
7/18(木)
さっそくひとりの方から、「話し手が決まって、聞き取りの場所として、こもれびスタジオを借りたい」という連絡があった。スタジオの準備に取り掛かる。相談してもらいやすいひとである必要があるなと思うが、どうしたらいいのだろう。
7/19(金)
「上馬で小さな植木屋とお花のお店を営んでいらっしゃる、おばあさま」に話を聞きたいが、「かなりのご高齢なので、ご本人による文章の確認が難しい。その場で、原稿を読み上げて確認をしていく、という形になるのかも」という連絡があった。メンバーの本人は悩んでいるようにメールをくださったが、きっと「おばあさま」からしたら、そうして寄り添ってもらうことは、喜ばしいことなんじゃないかと思った。西村さんからも背中を押すようなメール。よいほうへ進むといいなと思う。
7/20(土)
生活史の「聞き方」ワークショップ。岸さんでいうところの「同じ舟に乗っていく」、西村さんの言い方でいうと「話し手についてゆく」という聞き方を提案し、共有した時間だった。数名に聞いてみると、新鮮な聞き方に出会ってイキイキとされていたり、ピンときていない様子だったり、さまざま。生活史はたぶん、話し手と聞き手との間がゆたかになれば、きっと聞き方はなんでもよいはず。「こういう聞き方をしてくださいね」というレクチャーではなく、ひとつの方法の提案。「そのぶん難しいね」と西村さん。身体で感じたいひとにむけて、西村さんの聞き方を、話し手として体験する機会をお誘いしてみることにした。
7/22(月)
西村さんと相談し、今日から週報を送っていくことに。次にメンバーで揃うのは1ヶ月後なので、その間にも他のみなさんの息づかいを感じられるように。「みなさんの状況がわかり、安心します」と返事があった。
7/27(土)
今週は、相談や聞き取り完了の連絡が飛び交った。ライターの参加者も多いので、「いつものインタビューとは異なる実感に、これでいいのかな?!と思いました」と感想を寄せたひとも。でも報告メールからは、なんとなく心が弾んだような様子を感じられ、きっとよい時間だったんだなあと想像できた。このプロジェクトの価値のひとつは、そんな時間が40人分できていくということだと思う。現段階で、話し手が決まった(アイデアがまとまった)と連絡をくれたひとは約半数になった。
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