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「ブラジリアン柔術」という競技をご存知でしょうか? 実は駒沢にはブラジリアン柔術のアジア大会で優勝を果たしたグラント・ボグタノフ選手のジムがあるんです!
護身術と格闘技の要素が組み合わさっているブラジリアン柔術は、子どもから高齢者まで誰でも気軽にチャレンジできるのも魅力です。日本の柔道がもとになっているため、似ている部分も。
今回はこもれび大学生記者のチヒロが、ALMA FIGHT GYM LIFEでブラジリアン柔術の体験した様子を、グラントさんへのインタビューとともにお届けします。
ブラジリアン柔術とは?
日本の柔道がブラジルに渡って独自に発展した競技。柔道のように背負い投げや固め技で一本とならずに、寝技がメインなのが特徴です。
ーーブラジリアン柔術のジムを始めようと思ったきっかけを教えてください。
子どもの頃から柔道やレスリングをやっていたのですが、大学生になってから趣味で始めたブラジリアン柔術にハマりました。本格的にやり始めてからは、世界チャンピオンになるよりも、ジムのオーナーになりたいと思ったんですよ。
ーー チャンピオンよりオーナーになりたいとは、どういうことですか?
僕のように柔術にハマる人間は、みんな一度はそう思うはずです。伝えなきゃいけない使命感にかられるんです(笑)。僕は幸運にも、早いうちからブラジリアン柔術という人生の生きがいを見つけられたので、どうしても広めていきたいと思って。最初は友達にその魅力を伝えようとしたんですけど。
ーー使命感。そして、周りから攻めたわけですね。
でも、うまくいかなくて。僕にとってはこんなに楽しいものでも、10人のうち1人もハマらないことが分かったので、きちんと広めるためにはジムを始めるのが良いと思いました。ブラジリアン柔術と総合格闘技のブランド「ALMA(アルマ)」に選手としてスポンサードされていたご縁で、ALMA FIGHT GYMの系列としてALMA FIGHT GYM LIFEを始めました。
ーー他の格闘技にはない魅力はなんですか?
柔術は柔らかい格闘技なので、試合に近い強度で組み合っても怪我をしないんです。ストレス発散にちょうどいい運動量ですし、人とやり合うことでスキンシップの側面もあって、犬を抱いた時のような癒し効果もあります。チェスのようなゲーム性もあるし、頭も体も使って楽しいので、そんな魅力からハマる人はハマっていきます。
ーー犬を抱いた時のような癒しですか! ジムの「LIFE」という名前には、どんな想いが込められているのですか?
ジムの名前を考えてたときに、たまたま原宿を歩いていて。「生タピオカ」のお店を見つけたんです。「タピオカなんて、そもそも生じゃない⁉︎」と不思議に思ったんですが、そういうマーケティング戦略だと気づいて。普通のものと違いはないかもしれないけど、生チョコとか、「生」を付けると僕みたいに気になる人も出てきますよね。それで最初は名前を「生柔術」にしようと思ったんですよ。
ーーえー! 生柔術ですか⁉︎
でも、やっぱりいろんな人に「やめろ」と言われて、生つながりで「LIFE」にしました。僕の世代には、ドラッグ中毒者が柔術で幸せになったとか、ブラジリアン柔術を通じて人生が変わった人がたくさんいました。ブラジリアン柔術を通して「Change My Life=人生を改善していく」という意味も込めています。
まずは準備運動をして、体をしっかりとほぐしていきます。
三点倒立にも挑戦!
グラントさんはさすがの体幹です。
勢いをつけて、受け身のために一回転する練習をしました。
ーーアメリカで生まれ育ったんですよね? 日本に来たきっかけは?
父がアメリカ人で母は日本人なのですが、母の国をもっと知りたかったんです。子どもの頃、オリンピックではいつもアメリカと日本を応援していました。日本のスポーツにも興味を持っていたし、日本の柔術にも憧れていたんですよ。
趣味でブラジリアン柔術を始めた1年後の大学3年生の時に、2ヶ月間日本に留学をして、そこで本格的にブラジリアン柔術に取り組んでいきました。大学卒業後の2016年に日本に移住して、まずは英語の教師として働き始めました。同時に日本の道場にも所属して、試合の実績も積みつつレッスンも持つようになって、教える経験も積んでいった形です。
ーージムを始めるためにまずは英語教師として日本での生活の基盤を作ったんですね。
僕、10歳から貯金が趣味だったんです。兄弟はお小遣いをもらうと、おもちゃを買ってたんですが、僕は一切使わずに貯め続けていました。「こいつはお金を使わない」と、親も言ってたくらいにケチだったんですけど、ジムを開業したときは子どもの頃からの貯金を全部注ぎ込んだんです。
ーー全部ですか? すごい!
そうです。でも、全然痛くなかったです。絶対やりたいという情熱と「これだ!」という確信があったので、気持ちよくお金を使えましたね。
ーージムに通っている皆さんは、どういう目的で来られるんですか?
そもそもブラジリアン柔術をテレビで見たり、興味のある人が来ますね。「何か格闘技を学びたい」「強くなりたい」という動機もありますが、例えば会社の取引の時に自信を持つために始める人もいます。あとは護身術目的として来たり。
ーーいざという時にも役立つんですね。
ここで教えているのは競技としてのブラジリアン柔術なので、相手が武器を持っていたり、私服のままで戦ったりするには技術が必要です。なので、例えば喧嘩になりそうな場面になっても「戦わなくても勝てる」とその場を回避するようなマインドを得るために、ブラジリアン柔術で自信をつけることができると思います。僕がもし喧嘩に巻き込まれそうになったら、まずは逃げます。
ーー逃げる!
家族が危険に晒されている場合は応じるかもしれませんが。試合の上でだと負けることはないですが、相手が武器を持っていたり、複数だった場合は自信がないです。そうみんなに伝えると、驚いてましたけど。でも、本当に逃げられない状況の場合は役に立つと思いますよ。
まずは座りながら組み合いの練習をします。
足で相手の体を挟んで、ほどかれないように踏ん張ります。
ーー駒沢にはもともと縁があったんですか?
駒沢で働いていましたし、駒沢近くのジムで練習もしていたので、駒沢が好きだったんですよ。それに、世田谷区は他の区と比べてよそ者を歓迎するオープンな空気が流れていて、外国人や地方の人も住みやすいと思います。国際学校も多いので、うちのジムにもバイリンガルの子がたくさん通っています。クラスも英語で行っています。
ーーお住まいも駒沢ですか?
ジムのすぐ近くに住んでいます。以前は通勤に片道90分かけてたことがあったんですが、もう2度と遠いところには住めないですね(笑)。
ーーズバリ、グラントさんにとって駒沢はどんな街でしょうか?
駒沢は柔術の街ですよ。うちのジムも合わせると、ブラジリアン柔術を習えるジムが3つあります。そこには日本一強い選手もいるんです。駒沢はこれから駅も綺麗になるし、街も綺麗になっていって、さらに将来的に駒沢はより柔術の街になると思います!
ブラジリアン柔術の特徴である寝技を学びます。これは相手の動きを封じる時の基本動作。
最後は実技練習として、2分間自由に組み相手と技をかけ合います。やってみると、2分って意外と長い!
ーー最後に、これからの展望を教えてください。
ジムをいろんなところに広めて大きくしていくよりも、ALMA FIGHT GYM LIFEだけで300人くらいを目標にして、たくさんの人を試合に出したいです。
ーー中身をギュッと濃くしていくんですね。メンバーは試合にも出場されているんですか?
はい。ブラジリアン柔術の大会の団体戦だと、全国展開しているジムは全国から選手を集めてチームを作るんですが、うちはALMA FIGHT GYM LIFEのメンバーだけで団体戦で優勝しました。
ーーすごいですね。グラントさんのプレーヤー個人としての目標はありますか?
そもそもジムをやることが夢なので、全部やりきったと思います。強いて言うなら、国際ブラジリアン柔術連盟(IBJJF)のヨーロピアン選手権でメダルを獲ることだけできていないので、それは果たすつもりです。
ーーぜひメダルを獲得してほしいです!本日はありがとうございました!
【取材を終えて】
もともと運動音痴で筋力もなく、格闘技も全くの未経験での挑戦でした。やる前はとても不安でしたが、先生も分かりやすく教えてくれて、体もたくさん動かせて爽快でした!
キックやパンチを使わないので、怪我をしづらく、力がなくても抑えるべきポイントを抑えられれば、相手の動きを封じられることを学びました。
無理なくできる適切な運動量で、パワー重視な競技ではないので、女性も子どもも高齢者も気軽に挑戦できることが魅力だと思います。初心者でも楽しく教えてもらえるので、気になる方はぜひ体験にいってみてください!
ALMA FIGHT GYM LIFE
住所:東京都世田谷区 野沢2丁目26-22 川又ビルB1F
WEB:https://afglife.jp/