<今週末>秋だ!祭りだ!駒留八幡神社で「こまどめまつり」開催!山車・神輿の巡回・縁日の情報も。
- #お祭り
- 今日のこまざわ
- 今日の駒沢
駒沢の玄関口である駒沢大学駅は、毎日約6.7万人の人びとが利用しています。そんな駒沢大学駅は現在、東急電鉄の田園都市線地下5駅リニューアルプロジェクト「Green UNDER GROUND」の一環として、2024年度の竣工に向けて大規模リニューアルの真っ最中。
駒沢大学駅のリニューアルはいま、どんなふうに進んでいるの?
これからどんなふうに変わっていくの?
その謎を探るべく、今回は特別に東急電鉄の増田さん、内田さん、阿津さんに、工事現場見学ツアーへと連れていってもらいました。普段みることができない、駅の裏側へと潜入していきます!
田園都市線地下5駅のリニューアルプロジェクト「Green UNDER GROUND」の中でも、リニューアルのトップバッターを飾った駒沢大学駅。リニューアルコンセプトは「UNDER THE PARK」です。“駒沢公園の玄関口としてのイメージを高め、心地よくワクワクする公園のように、人が集い、活動のベースとなる場へ”という想いでつけられました。
駅のデザインは1本の木に見立てられています。地下は“まちの魅力を吸収し、はぐくむ、人が集まるまちの根っこ”地上は“まちのシンボルとなる木”という考え方だそうです。
ヘルメットを着用してまずは案内されたのが、駅西口の隣に新しく建てられた、現在内装工事中の西口ビル(2)です。木の葉が重なるような緑の外観の建物は、隣接する西口ビル(1)、東口ビルとあわせて3本の樹木をモチーフにしたもの。
西口ビル(2)の特徴はなんといっても、都心部には珍しい木造4階建てです。建物を支える大きな柱も、梁も、床もすべて木造で作られています。
木の温もりが魅力的な一方で、気になるのは万が一、火災が起きたとき。内田さん、大丈夫なんでしょうか?
内田「外側の60ミリのLVL耐火被覆材が、中にもう一層ある木造の柱を守ってくれるんです。燃えても炭になり燃え止まるので、火災が起きたとしても柱や梁などの構造部材への影響を抑えるという、法律上の基準を満たしてくれます」
さらに柱と梁が交わる部分の内側は、金属で特殊な組み方をすることで、耐震補強材を最小限にして建物の耐震基準をクリア。ラーメン構造という門型の構造を採用することで、壁面が少ないぶん窓からの光が建物の中に注ぎ、こもれびの暖かな陽気に包まれるような気持ちいい空間が生まれます。
こんな技術を取り入れた木造駅ビルは、日本初だそうです!
次に西口ビル(2)の3〜4階へ。駅係員さんたちの休憩場所兼、終電後の宿泊場所が作られていました。終電後の駅係員さんたちって、どうやってお家に帰るんだろうと思ってましたが、ちゃんと泊まれる場所があるんですね。
内田「これまでは地下の駅構内にあったんですが、陽の当たらない地下だと生活リズムも狂ってしまうみたいで。陽の光が当たる場所に寝室ができることは、駅係員さんたちからもすごく好評です」
増田「ぐっすり眠れることで、日中のパフォーマンスもあがりますよね」
Tips 教えて!気になる駅のこと
Q.終電後の駅構内は、どのような様子ですか?
A.最後に駅係員さんが構内を巡回して、すべて戸締りをします。だいたい終電後1時間で就寝しますよ。
西口ビル(2)の地下1階に降りると、駅に続く通路が現れました。地下1階から1階までエレベーターが取り付けられ、バリアフリーで地上に出ることができます。
これまで反対側の東口にしかエレベーターがなく、車椅子やベビーカーの人たちが西口方面に出るためには横断歩道を渡らないといけませんでした。西口ビル(2)の誕生によって移動がスムーズになるのは嬉しいですね。
続いて、駅構内へと向かいます。現在の駒沢大学駅は仮囲いが設置されていて、ザ・工事中という雰囲気。具体的にはどう変わっていくのでしょうか。
増田「約50年ぶりのリニューアルのため、一部の設備も老朽化していて…。インフラとしてよりよい状況へ再生することで、安全安心に駅を利用いただけるようになります」
阿津「設備の更新には空調も含まれているんです。地下にある駅だから暑いというご意見もいただくので、新たに空調機能を増強し、風の吹き出し口と一体になったベンチを作ります。さらに効率的に空調をまわすことで、暑さを和らげて快適に過ごせるようになるはずです」
Tips 教えて!気になる駅のこと
Q.終電後の電車はどこで眠っているんでしょう?
A.車庫がいくつかあるので、基本的にはそこに帰っていきます。
すでにリニューアルされているのが、駅構内のトイレです。もとのトイレは昔に整備されて以降の乗降者数やトイレ利用者の増加に対してトイレの数が足りておらず、特にラッシュ時は行列ができることもありました。
阿津「新しいトイレの数や個室が増えて、明るく綺麗になりました。待ち時間が少なくなったのでストレスを和らげられていると思います」
仮囲いが続く公園口まで長い通路には、店舗が4区画入る予定です。なんのお店が入るのか、はやく知りたいものです! そしてお店以外にも、駒沢の人やまちの魅力を伝えるメディアやイベントスペースなども絶賛検討中なんだとか。
例えば、駒沢で活動したい人の力試しとして、まちの玄関口である駅を使ってもらうようなことも想像しているそうです。
内田「駅で一緒に活動した方が地域のどこかでまた活動したりと、駅でまちの魅力の種を育て、まちに出ていくような、そんな場所になるといいなと考えています。その他にも駅で何ができるのか、駒沢の皆さんと一緒に議論していきたいと思っています」
阿津「駅が魅力のある空間になると、駅を中心に新しいコミュニティができて価値が生まれます。駅で生まれた価値が街に出ていくことで、関わる人が増えてまた駅に戻ってくる。そういった駅を中心とした循環が生まれることを目指しています」
駅係員さんたちが元気に働けるようにと、駅務室もリニューアルされました。室内も緑をキーカラーにした明るい配色のデザインで、陽の当たらない地下でも活気が湧いてくるデザインになっているそうです。
Tips 教えて!気になる駅のこと
Q.子どもが電車のことを知りたいときは、どこに聞けばいいですか?
A.ぜひ駅係員にきいてください。年に1回、車両工場を見学できる東急電車まつりのイベントなどもあるので、ぜひご参加ください!
最後に向かったのは、2022年に完成した東口ビルです。駒沢の街の魅力のひとつとなるように、リニューアル段階からドトールとコンセプトを共有し、公園をテーマとした店舗づくりや環境に配慮した内装材等の採用など、店舗を一緒に作りあげていったそう。
いたるところに遊び心が溢れているこのドトールは、駒沢に来ないと体験できないものです! ぜひ一度訪れてみてください。
東急電鉄のリニューアルプロジェクト「Green UNDER GROUND」の第1弾として始まった駒沢大学駅のリニューアル。「Green UNDER GROUND」とは、地下にある田園都市線の池尻大橋駅、三軒茶屋駅、 駒沢大学駅、桜新町駅、用賀駅が、安全・安心・快適・便利で、サステナブルな駅へと生まれ変わるプロジェクトです。
そんなプロジェクトと、駒沢大学駅リニューアルにかける想いについて、最後に聞いてみました。
内田「地域の皆さまと関わると、それぞれが駒沢をもっと良くしたいという思いをお持ちで、そこに駒沢の潜在的な魅力があるんじゃないかと思っています。いろんなアイデアを皆さまと考えて、一緒に駅を作っていきたいですね。」
増田「駒沢大学駅は6.7万人が必ず毎日通るところで、個人的にはすごくポテンシャルを感じています。地域に開かれた駅として、駒沢の人たちの玄関口でありプラットフォームになれたらと。僕たちの強みを最大限発揮しながら街に貢献していきたいです」
阿津「せっかくたくさんの人が行き来する場所なのに、生かしきれてない空間があるのはもったいないですよね。ただ通過するだけの駅ではなく、賑わいが生まれてコミュニティができることが、地域循環の第一歩だと思います。あとは、着工してから仮囲いができたり経路が変わったりと、ご迷惑をおかけしてますが、駒沢の皆さまのご協力のおかげで着々とリニューアルが進んでいます。改めて感謝したいです」
「Green UNDER GROUND」のwebサイトでは、リニューアルの様子がブログ形式でも更新されていて、最近、instagramも開設されました。これからさらにどう変わっていくかが気になる方は、ぜひチェックしてみてください。
2024年度に「駅開き」される予定の駒沢大学駅。みなさま、ぜひお楽しみに!
photographer :Satoshi Nagare
text:Lee Senmi