<今週末>秋だ!祭りだ!駒留八幡神社で「こまどめまつり」開催!山車・神輿の巡回・縁日の情報も。
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愛犬家はもちろん、犬を飼っていない犬好きにとっても駒沢公園はドッグパラダイス。でも、世の中には犬が苦手な人もいれば、怖いと感じている人もいます。ここに集う人すべての人がリラックスした楽しい時間を過ごせるように、愛犬家が知っておきたいマナーと触らせてもらうときのマナーなどをご紹介します。
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お話しを伺ったのは、駒沢公園通りにある「ブラックストリームケンネル」のオーナー袴田恭司さん。「あなたが変われば愛犬が変わる。飼い主さん矯正マニュアル」の著者でもある袴田さんはブリーディングやドッグトレーナーの実践経験を持つ、この道40年以上の犬の専門家です。
一見、厳しそうに見える袴田さんのトレーニングやアドバイスは愛犬の立場になって考え、健康や命を守るためのもの。腑に落ちて納得できるトレーニングは、飼い主と犬のストレスを減らし信頼関係を育んでいきます。この記事を読んで駒沢公園へ行くと、犬とのコミュニケーションがもっと楽しくなります。
犬を飼っている人vs飼っていない人 やっぱり気になる「トイレ問題」。
排泄やマーキングは、飼い主のマナーが最も問われるところです。よく電柱でおしっこをしている犬を見ますが、電柱は犬のトイレではありません。過去に犬のトイレポイントだった電柱の根元が腐り転倒し、怪我人を出す事故につながりました。民家の周りや花壇などしてはいけないところはニオイをかがせないようにし、速やかに通り過ぎましょう。もし立ち止まってしまったらリードを軽く引き合図を送り、「ついて」の声がけを。これを繰り返すことで、トイレのマナーを刷り込ませていきます。
本来、トイレは散歩前に自宅や庭で済ませておくのがルール。散歩中にする場合はニオイが残りやすいアスファルトは避け、土の上でするようにしましょう。たっぷりと洗浄水をかけてあげれば、それが堆肥にもなります。水の量は、小型犬で500mlのペットボトルの半分くらいを目安に。次回のトイレを想定し、半分は残すようにします。
愛犬を危険な目に合わせない散歩中のルール。
桃太郎さんの絵に象徴されるように本来は、人間が動物の前を歩きます。犬を先に歩かせるのは、子どもを親より先に歩かせるのと同じ。不意の危険から守ることができません。犬は飼い主の左側を歩かせます。こうすると犬が苦手な人とすれ違うときも飼い主が間に入り、犬同士がすれ違うときもお互いが外になります。
「分かっているけれど難しい!」という方は、犬が先に歩いたら、飼い主がUターンするリーダーウォークを実践しましょう。このトレーニングは散歩中に繰り返して行うことが大切です。飼い主が前を歩くことで「この人といれば安心」という信頼感を犬にインプットします。
【 実践!今日からできるリーダーウォーク 】
リードの選び方、持ち方のおさらい。
リードは右手で持ち、左側か後ろを歩かせるように指導します。散歩のときは、自分が確実に制御できるリードを使います。ほとんどの犬はリードをつけた段階で緊張感を持ちます。犬がリラックスできるようにリードを緩ませた状態を、常にキープしましょう。
最近、伸縮リードが長くなることで、人や自転車にひっかかるなどのトラブルが増えています。伸縮リードは、犬が安心して走り回れる広場に行ったときにつけ替えて使うことをおすすめしています。
散歩中に絶対やってはいけないこと。
・ワーストNo.1は人通りの多い歩道や公園で伸縮リードをつけてスマートフォンを見ながら、犬を先に歩かせること。
・リードがついた状態での犬同士のご挨拶。群れの習性を持つ犬が、ほかの犬と出会うことは緊張感と恐怖しかありません。一触即発の状態になることも多く、人間が思うほど気楽なものではないのです。
散歩中の困った!はどんなことが多い?
犬が途中で動かなくなってしまうこと。リードを引っ張って「こっちにきなさい」ではなく、飼い主が動き、自分についてこさせるように誘います。
犬は気で動く動物。強いものが前に出て、弱いものが後ろに下がります。これを利用して、呼びの練習をします。「おいで」と呼ぶときに姿勢を低くしたり、一歩下がって気を引いたりします。ちゃんと自分のところへ来たときには、思いきり褒めてあげましょう。
自分の飼っている犬の性格や、その犬種がどういう目的で作られたのかを把握してトレーニングをすると効果も早いと思います。きちんとしつけておけば、飼い主も犬もストレスが減り楽になります。ドッグカフェやショッピング、旅行も一緒に行けるようになり、犬たちとの行動範囲が広がっていきます。
他の犬を触らせてもらうときの心得。
たとえば、「かわいい!」と寄ってくる犬好きの人に、フレンドリーな犬は興奮してしまいます。犬好きの人は喜び、さらに褒めます。結果、その犬は興奮したら褒められると勘違いし、人を見たら大興奮する犬になってしまうわけです。犬のしつけは飼い主さんが一生懸命していても、周りの人が無意識に悪いクセをつけてしまうこともあります。みなさんが共通した認識で犬に接していくのが理想です。ちょっと難しいかもしれませんが、犬を触るときは以下を意識してください。
・飼い主に触っていいかを、確認する。
・近くまで行き、寄ってきたら触る。寄ってこない場合は触らない。
・「お座り」と声をかけ、座ったら触る。
・犬が興奮しているとき、ないているときは触らない。
・飛びついてきたら優しくプッシュし、距離をとって座らせる。地面に足が着いた状態で、興奮させないように触る。
・人間が座るとジャンプして飛んでくる犬もいるので、立ったまま触る。犬が落ち着いたら、下から手を出して触る。
・できれば、犬の横に入って横から触る。
・離れるときは、犬の目を見ながら、後ずさりするようにして離れる。
【column海外の犬事情】
初めてイギリスへ行ったときに忘れられない経験をしました。公園で犬を見て、うれしさのあまり触ろうとしたとき、「No!」と飼い主から厳しい声が飛んできたんです。自分の赤ちゃんを他人に触らせないでしょう。彼らはその感覚と同じなんです。この経験から、基本的に僕は、知らない人の犬は絶対に触りません。
ブリーダーは手塩にかけた仔犬を、ちゃんとトレーニングをしてくれるなら譲るよ、というスタンスです。ですから、犬を飼うときは必ず家族でトレーニングの勉強会へ通います。ドイツでは犬が飼い主の前を歩いていると、周りの人からトレーニングに通うように注意をされます。犬に対する意識は、海外と日本では大分違います。
毎日、一緒に遊んであげる時間を持つことがいちばんです。
遊びにはいろいろな要素が含まれています。当店では飼い主さんに愛犬との遊びを方を伝え、ここから飼い主さんとの絆を築いてもらいます。中でもおすすめはロープトイの引っ張り合い。引っ張り合いは、一つの獲物をお互いに協力して最後に絞める動作。飼い主との信頼関係を育みやすい遊びなのです。
通常、トレーナーは飼い主が上に立つように「おもちゃ遊びのときは全部勝ってください」と指導します。毎回おもちゃを取られると飼い主さんのもとへ行ったらまた取られる、と思い、呼んでも来なくなります。僕の場合は必ず負けてあげて、犬に自信をつけさせます。そうすると犬はおもちゃがもらえるから、呼べばすぐに来るようになります。次のステップとして「やめ」と声がけをし、おもちゃをとります。これを繰り返すことで自分からおもちゃを離すようになります。行動と声がけで刷り込んでいく、これがしつけの初歩です。
犬たちは賢いですよ。とにかくリードを思つ人の様子を見ています。遊びは犬との知恵の比べ合い。野生のものを成長させていく楽しさや喜びが犬と暮らす醍醐味だと思います。
犬の健康に不可欠なのが遊びとお散歩です。遊ぶときは必ずリードをつけましょう。「家でリードをかけるのが大変」という声をよく聞きます。でも、遊びのトレーニングを続けると、リードを見せたら喜んで寄ってくるようになります。遊びがしっかりできるようになるとトレーニングは終わったも同然。
よく動いた後は水もよく飲むようになるから、おしっこもちゃんと出て排毒がしっかりできるようになります。筋肉が発達することで毛細血管も増え、血流もよくなるわけです。いい循環ができると、身体の自然治癒力も高まります。
一方、散歩は犬との大切なコミュニケーションタイム。でも、ほとんどの方がトイレだけのための散歩になっています。忙しい現代人に1時間の散歩は難しいでしょう。その場合は、近くの公園に行き、10mのロングリードを使って思いっきり動かして遊んであげてください。いかに犬との時間の密度を濃くするかです。みなさん、こんなに楽しい遊びのトレーニングをしないのは、本当にもったいないです。
しつけに関しては、犬から自由を奪う、厳しいことをする、という印象があるかもしれません。でも、犬とのコミュニケーションを取る手段として、楽しい遊びだと僕は思っています。遊びながら教えるから継続していけるのだと。
しつけはいつまでにするべき?
永久歯に生えかわる7ヶ月ぐらいまでが勝負です。その後は、自我がどんどん出てくるので、難しくなる一方です。一般的に3歳までやってきたことを変えようと思ったら6年はかかると言われています。でも、やり方によっては早まる場合もあるので諦めないでください。
・ペットを擬人化しない。
・人間が指示を出し、聞かせることで愛犬に安心感を与える。
・おやつをご褒美の習慣にしない。トレーニングは芸を教えているわけではなく、飼い主との大切なコミュニケーション。おやつは健康にも影響が出てきます。
・トレーニングのときは首輪をつける。親犬は仔犬の首を噛んで移動させます。首根っこを掴まれた仔犬は力を抜いて大人しくしないといけない。犬は生まれたときからこの教えを親から自然に受けます。だから、トレーニングをするときは首輪なんです。犬は首で刺激されることで噛まれているのと同じ効果を感じ、落ち着くわけです。
・ハウスへ入れる習慣をつける。野生動物は外敵から身を守るために狭い巣穴を好みますが、この習性は犬にもあります。ハウスを用意し、居場所を作ることは犬の心の安心感にもつながります。日頃からハウストレーニングができている子は来客のときや移動、災害時の避難場所でもストレスが軽減できます。また、地震や車の移動中に事故にあったときも野放しにならず、二重事故を防ぎ、命をつなぐ可能性も高くなります。
人間は犬を飼った責任として、犬の命を守ってください。そこが一番大事。そのためには、トレーニングをしっかりして、もしリードが外れたときに呼んだらすぐに飼い主のところへくるようにしておきましょう。
犬を連れていたら話しかけられられることが多くなりますよね。犬には人と人を繋いでくれたり、人をしあわせにする力がすごく強いのだと思います。
photographer:Ikuko Soda
text:Keiko Takahashi