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西村佳哲さんのインタビューこぼれ話・「書く」ということ

2024年もあっという間に6月になりましたね。梅雨の気配がすでに近くまできていますが、『駒沢の生活史』の聞き手募集の締め切りも、残すところあと2週間です。すでに話し手として参加申し込みをされた方も、参加をどうしようか迷っている方も、特に参加は考えていないよという方も! ぜひお越しいただきたいイベントがあります。

6月8日(土)に開催するトークイベント「「生活史の面白さは、なに?」 ー 柴山浩紀(筑摩書房)× 西村佳哲」です。

『東京の生活史』の編集者である柴山浩紀さんをお招きして、西村佳哲さんとともに「生活史の面白さ」について語ります。

生活史の面白さはたくさんあると思いますが、西村さんのインタビューでのこぼれ話をここでひとつ。それは、街で暮らす人たちの人生を聞き取る生活史では、話し手の生の声を残すことに意味があるのではないか、というお話をしていたときのこと。

西村さんは「生活史は語り手と書き手で1枚の絵を描くような作業」だと言います。

西村:絵は、いちど描き終わったら、それ以上筆を加えることはないし、変化していくものでもないですよね。だけど、ある風景を描いたとしても、絵にすべてが描かれているわけじゃない。その人が風景をどう見ていたかが描かれているわけです。例えばモネが描いた雪原やゴーギャンが描いた南の島のいち情景も、私たちは後から見る。それは風景そのものではないけど、その人にとっての風景がどんなふうだったかを、私たちは見るんです。

その絵は何か教えてくれるわけじゃないし、自分を変えようともしてこない。現代美術だと、ちょっと人を変えようとしてくるものもあるけど、印象派の絵の素晴らしさっていうのは「世界はこうでした」みたいなことしかないところです。それだと思うんですよ、生活史って。読むことで解答される1枚の絵のようだと思うんだよね。

ーどういう絵を描くかには、その風景をどう感じたかという、その人の感受性が現れるんですね。

西村:そうだと思います。だから同じ駒沢エリアに暮らしていて、同じような体験をしていても、経験の質としては一人ひとり違うはずですよね。

「駒沢」という小さな街の生活史では、どんな風景が描かれてるのでしょうか。それは参加する聞き手の人たち、話し手の人たちによって変わっていく面白さが、生活史にはあります。

聞き手は語り手の話をどういうふうに聞けばいいのか。聞いた話をどう編集しながら書いていけばいいのか。それについては『駒沢の生活史』への参加が決まったメンバーを対象にした「生活史の聞き方」「生活史の書き方」ワークショップで西村さんからお伝えするので安心してください。

『駒沢の生活史』への参加を少し迷われている方は、生活史がどんなものかを知るために、すでに参加をお申し込みの方は『駒沢の生活史』のプロローグとして、ぜひ6月8日(土)のイベントにお越しください。お待ちしております!

▼申し込みはこちらから

「生活史の面白さは、なに?」 ー 柴山浩紀(筑摩書房)× 西村佳哲

日時:2024年6月8日(土)13:00〜14:30(開場12:30)
参加費:¥1,000(税込)
・会場参加(A)駒沢界隈にお住まいの方 …10名
・会場参加(B)その他の地域にお住まいの方 …20名
・アーカイブ録画視聴
*ライブ中継は行いません
*録画視聴用URLは会場参加の方々にも事後お送りします
会場:駒沢こもれびスタジオ
世田谷区上馬3-17-7 キャンドゥのビル2階(エレベーター上がって左手)
定員:約30名・先着順(後日アーカイブ動画公開予定あり)

photographer :Wakana Baba
text:Lee Senmi

KOMAZAWA
COMOREVI
PROJECT_.
駒沢こもれびプロジェクト