こもれびプロジェクト/お知らせ

駒沢の街に似合う「みんなの本箱」を考える座談会、開催しました! 8/24(土)キックオフミーティング「本箱会議」に、あなたも!

自分が住む街をよりよくするために、自分にできることってなんだろう。大掛かりなことはなかなかできないけれど、生活の中で、少しの工夫で無理なく続けられることは……。
そんなアイデアの一つに、自宅や店舗の軒先で貸し借り自由の本箱を設置する「みんなの本箱」があります。駒沢に住む人の様々な活動を応援している駒沢こもれびプロジェクトのメンバー・渡辺龍彦は、まずこのアイデアを実現したい人が駒沢にいるかどうか、また、やるとしたらどんな展開がありえそうかを相談するために座談会を企画しました。集まったのは、知人を介して繋がった弦巻小PTA会長の冨里晋平さん、同PTAで、小学生の居場所づくり活動を続けるIBASHOの野口朋子さん、小学校図書館司書の西寺めぐみさん、そして駒沢こもれびマガジン編集長の望月早苗。

結論から言えば、ぜひやろう!ということになった「みんなの本箱」。盛り上がった座談会の一部のやりとりと、その場で決まった、8/24(土)に予定しているキックオフイベントの詳細をお届けします。

ある日突然、街中に本箱が現れた話

渡辺 僕が住んでいるのは神奈川県の葉山町なんですが、ある日2歳の娘と散歩していたら、普通の家の軒先に素敵な屋根付きの本箱が置いてあったんです。誰でも借りることができて、いつ返しても良いというルール。娘と一緒に絵本を一冊選んで「よかったね。ラッキー!」って話しながらしばらく歩いていくと、また別の家の前にも同じ本箱が現れて。

冨里 うんうん。

渡辺 それで初めて、これは何かのプロジェクトなんだなと気づいたんですよ。最初の家の人が勝手にやってるのかなと思っていたから。それで調べてみたら、植田さんという葉山在住の司書さんが呼びかけ人になって始めたクラウドファンディングのページが出てきて、どうやら「みんなの本箱」という取り組みらしい。そのリターンとして30個くらい一気に本箱を設置してつい最近はじめたらしい、ということが分かったんです。

「散歩中に借りた本をその場で読み出した娘です。左奥に見えるのが『みんなの本箱』」(渡辺)
葉山のとあるご自宅の庭先に設置された「みんなの本箱」。屋根とアクリルの扉が付いている。(写真は植田さん提供)

西寺 いいですねえ、素敵。

渡辺 僕もちょうど娘が生まれてから、住む街に対してもっと関わりを深めて行きたいと思いながらもなかなか一歩踏み出せないでいたところだったので、何か特別なスキルや経験がなくても、本を置くだけなら自分にもできそうだなって思えたんですよね。

野口 うん、やれるイメージ湧きます。

渡辺 さらに調べてみると、もともとこのアイデアは2000年代にアメリカで始まったもので、それが微妙に形を変えながら世界中に広がっているみたいなんです。日本でも、さっきお話した葉山の「みんなの本箱」以外にも「まちライブラリー」や「みんなの図書館」など様々な取り組みがすでに広がっているみたいで。海外の事例だと、庭先のポストみたいなデザインだったり、商店などの室内を活用したものもあったり、使わなくなった公衆電話ボックスをリメイクしていたりして、スタイルが多様で面白いんです。

冨里 街や路上のあり方がそもそも国によって全然違いますもんね。そこから本箱のスタイルの違いが出るのって面白い。アメリカのはやっぱりポストっぽいんですけど、葉山の本箱はなんていうか、すごく神棚っぽい。それで思い出したんですが、駒沢大学駅の近くに小さな祠(ほこら)があって、朝通る度にそこで手を合わせている人がいるんですよ。

弦巻小PTA会長でもある、冨里晋平さん。

西寺 ありますね。見たことある。

冨里 ああいう感じで、ふと現れて立ち止まれるような場所と親和性が高いのかもしれないと思いました。

西寺 私も今回、野口さんからこの座談会のお誘いの連絡がきて初めて知った取り組みなんですけど、ちょっと調べただけでも、面白そう! と思って。例えばこれが、駒沢公園の中にあったりしたら、最高だと思う。

小学校図書館司書の西寺めぐみさん。住まいは、こもれびスタジオのすぐ近く。

望月 それはもう、ほんとに最高! 先日このこもれびスタジオに、駒沢公園の管理事務所の方も来ていただいたので、色々とハードルはあるだろうけど、相談してみたいですね。

さて、自分たちがやるとしたら?

冨里 本箱、いざ作ろうと思うと、設計図引いて材料揃えるのが最初のハードルになりそうですよね。

渡辺 そうだと思います。で、実はそのことをこもれびプロジェクト内で相談したら、木材については現在建設中の商業施設の工事現場で余った矢板(コンクリートを流し込む為の木枠用の板)を建設業者の鹿島建設さんから譲っていただけたんですよ。

冨里 すごい。じゃあ一旦、木材はあると。

渡辺 あります。最初の20個くらいは、その木材で作れるんじゃないかと思います。それから、ある程度モデルとなる本箱の試作をするための設計図が描ける人を探していたら、なんと望月さんのご主人が木工作家さんで。

望月 そうなんです。あの入り口に置いてある本箱が、実際に建設現場の矢板で作った本箱の試作品。

渡辺 とりあえずこのこもれびスタジオに一つ設置してみようということで、作っていただきました。シンプルなデザインですごくいいですよね。本当はこれをキット化して販売することも考えていたんですけど、そうするとなんとなくこの取り組みに「中心」とか「正解」が生まれちゃうなと思って、ちょっと行き詰まっていたんです。

野口 たしかに、こういう本箱も素敵だけれど、究極的には家にあるただのコンテナ一つでも始められるくらいが良いかも。

小学生の居場所づくり活動を続けるIBASHOの野口朋子さん

冨里 うん、あとスペースの問題もありますよね。僕はマンションなので、そうするとどこに置くのがいいんだろう。駐車場とか共用部とか、かな?

渡辺 なるほどー、たしかにそこはちょっと工夫が必要ですね。何人かで一つの本箱を運用できるようなものもあっていいと思うので、個人宅でやりにくい人は仲間を集めることになるのかな。

冨里 マンションの中にこだわると、ちょっと管理会社次第になりそうですよね。そういう意味では一軒家の方とかだったら全然できそう。

渡辺 そうですよね。望月さんも駒沢在住ですが、一軒家のご自宅で始めるイメージは湧きますか。

望月 私、深沢に住んでるんですけど、道路に面したところには車が置いてあるので、自分の家だけでやろうと思うと常に置いておくのは難しいから、お隣さんを誘って一緒にやるかもしれないです。うちは去年くらいから軒先で子どもたちが自宅の庭で剪定したユーカリでスワッグを作ってお店を出すっていうユーカリやさんをやってるんですね。初めはうちの娘が始めたんだけど、隣にも小学生がいて、今はその子と二人で。なので、やるとしたらお隣と、他にも何人か誘おうかなと。

西寺 すごい、素敵な取り組みですね。いい本箱が育ちそう。

駒沢版の「はじめ方」を考える

渡辺 さっき話した通り、僕が葉山で体験したのは「ある日突然、街のあちこちに本箱が現れた」というゲリラ的な感覚なんですけど、駒沢もそんな始め方がいいと思いますか。

冨里 と思いますよ。たまに不用品を自宅前に出して「ご自由にどうぞ」って書いてあるものがありますけど、あれってなんか、もらうの結構勇気いるんですよね。ちょっと周りの目も気になっちゃうというか。でも、それが何か地域共通の取り組みだと分かっていれば、立ち止まりやすいと思う。

西寺 そうですよね。設置する側としても、何かしら公式感みたいなのがあった方が始めやすい気がします。なんでもいいと思うんですよ、例えば箱はみんなバラバラだけど、共通のステッカーを貼るとか。

冨里 QRから飛ぶと他の本箱の位置が調べられるとかね。

渡辺 今のお話を聞いていると、やっぱりある程度「一気に始まった感」は大事になりそうですね。ただ葉山はコンパクトな街だからそれを感じやすかったけど、駒沢だとどうだろう。

冨里 たぶん、密集と分散というか、局所的にスタートしてもいいと思うんですよ。キーマンさえいれば、広がっていくと思うし。

渡辺 たしかに、じゃあ今日は弦巻エリアのお二人がいるので、弦巻は決まりですね。あとは望月さんがいる深沢周辺か。

2023年4月から9月まで、駅前商業施設の建設予定地を使って、資源循環+人と人の交流による地域循環モデルを実証する「KOMAZAWA MOAI FARM」を実施した際に制作された駒沢のキーパーソンのMAP。冨里さん、野口さんも参加していた。

望月 そうですね、本当に、お隣さんレベルから広げていくことはできるから。

西寺 これ、結構やりたい人が多いんじゃないかなと思う。

野口 なんかね、これぐらいだったらできるって思えるよね。あとは、プロジェクト名みたいなのが欲しいな。

渡辺 ですよね。これ、一応きっかけ作ったのは駒沢こもれびプロジェクトだけど、街に広がっていく取り組み名に「こもれび」は入れない方が良い気がしていて。一応、葉山で始まった「みんなの本箱」っていう名前は、使ってもいいって言ってもらってるんですけど。

冨里 え、いいと思いますけどね、わかりやすいし。

野口 うん、いいと思う!

渡辺 あ、決まった(笑)。 じゃあ、名前はそれでいきましょう!


渡辺 めでたく名前が決まったところで、次、どうしましょう。いきなり本箱づくりワークショップはじめちゃうよりも、もう何人かやりたい人たちを募って、具体的な始め方を検討していけた方がいいですかね。

冨里 うん、もう一回そういう時間が欲しいですね。メンバーも少し広げて。

西寺 いきなりワークショップってなると、受け身になっちゃうかも。

渡辺 確かに、そうしましょう。それで、できればそこに葉山の「みんなの本箱」を始めた植田さんをゲストでお迎えして、根掘り葉掘り聞きたい(笑)。

野口 聞きたい!それ、いつやります?

〈座談会抜粋おわり〉


8/24(土)|駒沢で「みんなの本箱」のはじめ方ミーティング(ゲスト:うみとやまのこどもとしょかん館長 植田由賀さん)

終始盛り上がりを見せた座談会は、その場で次のイベント開催まで決めてしまいました。

イベントと言っても、タイトルにある通り「みんなの本箱」の設置者になることに関心がある人たちが集まって、駒沢でどんなふうにこの取り組みをはじめるか話し合うための「ミーティング」を開きます。

ゲストには、葉山の「みんなの本箱」の呼びかけ人である植田由賀さんをお迎えし、立ち上げ時の工夫や苦労したことなど、色々と伺いたいと思います。

この記事を読んで、「みんなの本箱」をはじめてみたくなったあなたもぜひ、ミーティングにいらしてみてください。駒沢こもれびスタジオで、お待ちしております!

【イベント詳細】

駒沢で「みんなの本箱」のはじめ方ミーティング

日時:8/24(土)13:30-15:30(開場:13:00)

会場:駒沢こもれびスタジオ

参加費:無料

お申し込み:LINEのお友達登録→ページ下部の「いま募集中のイベントをチェック」をタップ

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text Tatsuhiko Watanabe
photo Hinano

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