「駒沢の生活史」プロジェクト

「駒沢の生活史・制作日記」参加メンバーが決まる。【2024年6月の記録】

駒沢こもれびプロジェクトのひとつに、「駒沢の生活史」というものがあります。

生活史とは、「ある人が、どのように生まれ育ち、周囲とかかわりながら、そこでどう生きてきたか」をまとめたもの。40名の参加メンバーそれぞれが、駒沢に住んでいたり縁があったりするひとへ話を聞きに行き、1万字の文章としてまとめます。

生活史の公開は、2025年1月から。この「駒沢こもれびマガジン」内にて。
詳しくは、公式サイトからどうぞ。

今、参加メンバーは、粛々とそれぞれの作業を進めています。完成ももちろん楽しみですが、生活史の面白さは、その過程にもあるような気がしています。スタッフ・熊谷が書き溜める「駒沢の生活史・制作日記」から、その片鱗を覗いてみてください。プロジェクト自体は4月から始まっていましたが、4・5月は激動ゆえに書けていなく、今回は(遅ればせながらの)6月号です。

6/8(土)
筑摩書房の編集者・柴山浩紀さんと西村佳哲さん(「駒沢の生活史」ファシリテーター)のトークイベントを開く。「駒沢の生活史」は、社会学者で作家の岸政彦さんと柴山さんたちが行った、書籍『東京の生活史』での取り組みがベースにある。イベントでは、生活史というものの、絶妙な按配に触れた気がした。あの150人の生活のかたまりは、柴山さんが岸さんとやりとりを経て、丁寧に足を運んできたからこそ積み上げることができたものなのだと改めて感じる。背筋が伸びた。イベント後、数人からの募集あり。「あ、あの人かな?」と思える距離感がうれしい。

6/9(日)
現在の申込者数は、41名。定員(30名)をすでに超えているがもう少し、駒沢のひとたちが偶然この取り組みを知る機会をつくれないかと話して、急遽、募集チラシを配布することにした。それが今日刷り上がり、夕方、三軒茶屋の書店さんへ。店主さんが「とても尊い取り組みだね」と伝えてくださった。その尊さが、ふつうになるといい。小さな町でやろうとしているこれは、そのための活動なんじゃないかと思う。

6/11(火)
暑い。今日は、チラシを駒沢近辺の施設に置いていただけないか、その相談に望月さん(「駒沢の生活史」編集部長)と歩く。思っていたよりもずっと、みなさんとても親切に対応くださった。「いつもこういうのは置いていないんだけど」と前置きしつつ、「地域のためなら」と置いてくださる方もあった。いつも町のひとたちと関わるとなると、駒沢こもれびプロジェクト拠点の「こもれびスタジオ」で迎えることが多いが、こうして歩いて出会っていくと、景色はあっさり変わっていく。当たり前すぎるのだが、知らないひとたちがたくさんいるんだなと思った。
夜、西村さんからメールが届く。募集を始める前から議題にはあがっていた「定員を50名まで広げようか?」という話。編集工数と予算、会場キャパとの兼ね合いがある。熱量たっぷりの応募テキストを読んでいると、できるだけのひととご一緒したい、と思ってしまう。が、しかし。別日に、西村さんと望月さんと三人で、打ち合わせを設けることになった。

6/14(金)
駒沢こもれびプロジェクトの公式ラインにて、最後のお知らせ。募集は最終週に差し掛かる。ポツポツと届いていた通知が、ここ数日は、毎日届くようになっている。

6/16(日)
申込者数が50名を超える。定員をどう設定するにせよ、確実に選考を行うことになったわけだが、どうやって選んでいくのがいいのだろう。

6/20(木)
募集の締め切り日。最後まで申し込みをいただき、68名が募った。

6/22(土)
夕方、選考も兼ねて打ち合わせ。打ち合わせで印象的だったのは、「聞き手は、聞きたいことが明確でないほうがいい」という西村さんの視点。話し手が話したいことを聞く姿勢が大事だ、と。(マガジンで公開中の西村さんのインタビュー記事でも、詳しく「聞くこと」についてお話があります。)
三人で頭を抱えて悩んだ末、選考は「サイコロ」に頼ることに。40名の参加メンバーが決まる。来週中頃、みなさんへ結果を通知するメールを出すことになった。

6/26(水)
ご一緒する方と、残念ながら選外となった方にメールを打って送る。68人にメールを送る。これは「ひとりと68人」ではなく、「ひとりとひとり×68」だよな、と打ちながら何度も思う。これからプロジェクトが続くうえでも忘れたくない。ご一緒する方には確認のため、返信を必須としたので、フォルダを開くと山のようにメールが届いていた。みなさんの熱量に圧倒される。

6/27(木)
今日もメールがたくさん届く。いよいよ始まるなあという感じがする。選外の方からも、何名か返信をいただいた。プロジェクト参加を検討することが、家族と話し、自分と向き合う機会にもなったとか。こもれびプロジェクト全体を応援しています!という声もあった。ありがたいし、気が引き締まる。

KOMAZAWA
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