“こもれび秋祭り”報告・駒沢の人気店も出張オープン! 子どもから大人までが大勢集まり、秋の1日を満喫しました!
- こもれびスタジオ
- こもれび記者
- 駒沢こもれびプロジェクト
美大卒業後にインテリアショップに就職。ハードワークをこなす中、第一子出産をきっかけにセカンドキャリアを考え飲食業界へ転職。2023年12月にチャイとソーダの専門店「awhile chai&soda」を駒沢にオープン。駒沢の人にとっての居場所になるようなお店を目指している。
Instagram: @awhile_chaiandsoda
駒沢大学の向かい側の建物の2階に、チャイとソーダの専門店がオープンしたのをご存知でしょうか? その名も「awhile chai & soda(アワイル チャイアンドソーダ)」。可愛い看板を目印に2階への階段をのぼると、木目と白を基調とした落ち着いた店内で、店主の古川さんが笑顔で迎えてくれました。
awhileはチャイと季節のソーダを専門にしたカフェで、ゆったりとした時間を過ごすことができる場所です。「自分や家族、地域の方の居場所にできるところが欲しい」と、住み慣れた駒沢にawhileをオープンした古川さん。きっかけは第一子の出産でした。長年勤めていた会社はハードな上、子育てと仕事の両立が難しい環境。自然と、自身のセカンドキャリアについて考えることに。
「やっぱり家庭も大事にしながら長く続けられる働き方を考えたいと思いました。ぼんやりと思い描いていたのは、自分の家のそばにカフェがあって、例えばそこに子どもが帰ってこられる。家族も居られるし、近所の人たちも居られる空間で、生活と地続きで仕事ができたらいいなと想像して。それからカフェをやりたいというふうに思いはじめました」
まずは飲食業界で経験を積もうと、小さい子どもを抱えたままパン屋と喫茶を兼ねたお店の門を叩いたそうです。そこで飲食業のイロハとお菓子作りを学び、カフェを開くための準備を進めていきました。
なぜチャイだったのかというと、awhileの内装に関係が。ちょっぴり不思議なインテリアが目を惹く内装を手がけたのが、インテリアデザイナーである古川さんの夫。お店の床材・壁材と什器などは、夫のビジネスパートナーでもありインドにゆかりのあるインテリアショップ「Rungta」のオーナーと共に全てオリジナルで制作し、輸入したものです。
まだawhileを始める前、Rungtaを営むご夫妻にカフェのポップアップを始めるお話を聞き、インドであれば…とチャイを作ることに。
「チャイを作り始めてみると、実験みたいで本当におもしろくて。スパイスの種類や調合のバランスを変えると、一杯一杯に個性のあるチャイができるのが楽しかったんです。それから、チャイ屋さんをひらくイメージが沸きました」
そうと決まればすぐに行動するのが古川さん。いろんなお店のチャイを飲み歩いて研究をはじめました。しかし、自分の好みに合うものとなかなか巡り合うことができず、「自分がお店で出すなら…」というチャイのイメージをどんどん膨らませていったそうです。
「カフェでゆっくり本を読みながら、友達とお喋りしながら飲むチャイは、優しい味がいいんじゃないかと考えました。既製品のシロップを割ったチャイではなく、ちゃんと茶葉とスパイスから煮出した、体にも優しいチャイです。カレー屋さんのパンチが効いたチャイを飲み慣れている方からすると、ちょっと物足りなく感じるかもしれませんが、みなさんの好みに合わせて甘さの調整もできるので、ぜひお好みの一杯を見つけてくださったら嬉しいですね」
心地よく過ごす空間のお供として提供されるチャイ。実際にいただいてみると、なめらかなミルクにスパイスが香る優しい味で、ホッと体も心も温まりました。まずは「awhileオリジナルチャイ」を味わって欲しいのですが、紅茶の茶葉を使ったチャイのメニューも気になるところです。
「わたしは静岡出身で、幼少の頃から日常的に煎茶を飲んでいて、本当にお茶が身近な存在でした。それは自分のアイデンティでもあるんだと、東京に出てきてから感じて。日本にはお茶がたくさんあるし、実は紅茶も、全都道府県で作られているんです。ミルクで煮出すチャイも、見方を変えればミルクティーでもあるので、紅茶の茶葉を使用したミルクティーもチャイとしてお出ししています」
さらに店名にもあるように、ソーダもawhileの看板メニューのひとつ。チャイとソーダって遠い存在じゃない?と思うかもしれませんが、「居場所をつくる」カフェの構想の原点はブルックリンにあるソーダ屋さんでした。
「一人目の子どもがお腹にいる時に、しばらく海外旅行はできないかもしれないと思って、ブルックリンに行きました。そこに地元の古い薬局の内装をそのままに改装したソーダ屋さんがあったんですけど、地元のおじさんがいたり、ママが子供を連れてクリームソーダを飲んでいたりという風景があって。こういう優しい空気感が、すごくいいなと思ったんです」
駒沢でもこんな風景を作れたらと、いろんな世代の人たちに愛されるように夏はソーダ、冬はチャイという二本立てに。いまはチャイを推し出していますが、暖かくなってくると季節のフルーツを使用したソーダのメニューがだんだん増えてくるそう。夏が待ち遠しいです。
awhileはもともと美容院だった店舗をシェアする形で改装したお店。カフェを始めるために不動産で物件を探すも、主婦ひとりで始める規模のカフェだからか、相手にされなかったそうです。そんな古川さんに声をかけてくれたのは、近所に住む駒沢美粧さんでした。
「近所のお友達で『いつか一緒にできたらおもしろいね』と話はしていて。でも本当に叶うとは思っていなくて並行して物件をいろいろ見てたんですけど、『本当に一緒にやらない?』というふうに声かけてくださったんです」
美容院ではawhileのメニューの注文も可能で、飲みながら髪を切ってもらえるそうです。さらにawhileのロゴやショップカードなどの、ポップで洗練されたクリエイティブも、同じように近所に住むグラフィックデザイナーのMOTOMOTOの松本さんが制作したもの。駒沢の人たちとの繋がりによって、awhileは形作られているのです。
「駒沢は土地柄か、クリエイティブな人たちが多いですよね。近所の人たちは同世代も多くて、コロナをきっかけに距離が縮まりました。そのときに、より地元に根付く意識が強まりましたね」
オープンから約3ヶ月のawhileには、少しずつ人が集まっています。近隣のお店の人たちも応援してくれているんだとか。
「とてもありがたいことに、一度お店にいらっしゃった方はもう一度来店されることが本当に多くて、気に入ってくださったんだなと実感できて嬉しいです。まだまだお客さんの数は少ないのですが、みなさんの口コミで少しずつ広がっていると感じています。ご縁が繋がった方々と一緒にいつかこの場所で、イベントもできたらいいなと思っています」
お店の名前の「awhile」は英語で「少しのあいだ」という意味。「ここで少しのあいだ、ゆっくりしていってね」という古川さんの思いが込められています。少しのあいだひとりになりたいとき、友達とゆっくり喋りたいとき、チャイとソーダを飲みにぜひ訪れてみてください。古川さんが暖かく迎えてくれますよ。
*
駒沢こもれびスタジオでは、3月17日(日)に「awhile chai&soda」の古川さんを招いて、本格的なチャイの淹れ方を習えるイベントを開催予定。ぜひご参加ください。
●日時:2024年3月17日(日)
①午前の部10:30〜12:00 ②午後の部14:00〜15:30
午前・午後の部 各10人まで
●会場:駒沢こもれびスタジオ
世田谷区上馬3-17-7 キャンドゥのビル2階(エレベーター上がって左手)
https://maps.app.goo.gl/4opmKS4VYEJYmtwi9
●参加費:¥2,000(現金のみ)
チャイ飲み比べ3種・焼き菓子1個・ご自宅用チャイキット2杯分含む
*過去に暮らし部イベントへお越しいただいた方は、部員割引として¥200割引となります。
●持ち物:ペン
●詳細・お申し込み:https://komazawa-comorevi.com/event/972/
photo ikuko soda
text senmi lee