「駒沢の生活史」
について
社会学者で作家の岸政彦さんたちが書籍『東京の生活史』で試みた、たくさんの人々が聞き、たくさんの人々が語る生活史のプロジェクトを、世田谷区の“駒沢”で実施します。
「生活史」は一個人の生きた歴史で、郷土史とは異なります。ある人が、どのように生まれ育ち、周囲とかかわりながら、そこでどう生きてきたかを聞き、文章にして、同じ時代を生きる人々と共有します。
駒沢では、その生活史づくりを100名ほどの方々と実現したいと考えています。それぞれ一人づつ駒沢界隈の話し手を選び、聞かせてもらった話を「駒沢の生活史」としてウェブサイトに公開してゆくこのプロジェクトは、駒沢の暮しをよりよく面白いものにする「駒沢こもれびプロジェクト」(2024〜)の取り組みの一つとして実施されます。
アイデアや形式やタイトルは、筑摩書房および岸政彦さんの了解をいただいて、同じようになぞらえます。違うところは、
・出版を目的としていない
・ファシリテーターを西村佳哲がつとめる
・“駒沢”という小さな街を対象にする
ことです。
駒沢大学駅や駒沢公園を中心とした、約10万人が暮らす街の、約100名の人生の一部をわかち合います。
街に「店員」も「通行人」もいない。一人ひとりが、職業や俗称では語り得ない個別の人生を生きています。そして、あの店の人、通りを歩くあの人が、昨日読んだあの人かもしれない。
聞き手であれ、話し手であれ、読む人たちであれ、「駒沢の生活史」プロジェクトを通じて、街の見え方や感じ方が少し変わることがあるといい。別の街で暮らしている人より、この街の人同士が読むからより面白い。“小さな街の生活史のかたまり”を、一緒につくってみたいと思います。
メンバー
ファシリテーター
1965年東京生まれ。プランニング・ディレクター。『自分の仕事をつくる』(ちくま文庫)著者。つくる・書く・教える、大きく3つの領域で働く。
編集部
1998年宮城県生まれ。編集者。「駒沢の生活史』プロジェクトの主担当。京都の出版社「さりげなく」を経て、2023年からは、「駒沢こもれびプロジェクト」に社運をかける「アソブロック」で働く。編集社「mninm」にも所属。
編集部
1977年長野県生まれ。婦人之友社「かぞくのじかん」編集長を経て、2024年1月から「駒沢こもれびマガジン」の編集長に。世田谷区深沢在住。2男1女の母。幼少期は牛乳配達とアマチュア無線にはげんだ。
イラストレーション
- 加藤千歳
アドバイザー
- イトウヒロコ ライター、「東京の生活史」参加メンバー
参加メンバー(聞き手)
- 浅利雅士
- 伊賀原純子
- いしやまなおみ
- 今関あずみ
- 梅川久惠
- とりのささみこ
- 尾崎博一
- 尾森明実
- 片岡麻衣子
- 鎌田芙実
- 川上修生
- 川島 恵
- 工藤瑞穂
- MIKAKO
- 齊藤美咲
- 佐倉みゆき
- 佐々木彩子
- 佐野陽菜
- 白石ツネリ
- 杉本 丞
- SUMI
- 瀬戸潤子
- 髙田侑子
- 辰口健介
- 田原冨美枝
- 玉田哉子
- 坪谷彩子
- 西岡大貴
- 沼部幸博
- 林 賢
- ヒライシカナコ
- 平塚圭子
- 平山はな
- 松下弓月
- 松本仁奈
- 風音
- 宮坂友介
- 薮下佳代
- 山中散歩
- 吉田和弘
- イトウヒロコ
- 西村佳哲
SPECIAL THANKS
- 岸 政彦 (京都大学)
- 柴山浩紀 (筑摩書房)
「駒沢の生活史」
プロジェクト2024 詳細情報
参加申込みに
向けて
概要
- 「駒沢の生活史」プロジェクトの主旨は、このページ上部の“「駒沢の生活史」について”をご一読ください。
- 2024年度のメンバーとして、30名の「聞き手」を募集します。
- 「聞き手」は、駒沢に住んでいる誰か一名の話を聞き、それを1万字以内の文章にまとめます。その過程には、編集部とファシリテーターが伴走します。
- 完成した文章は、2025年1月から「駒沢こもれびマガジン」に、順に掲載します。
「聞き手」について
- インタビューや執筆の経験がない方も、腕に覚えのあるプロの方も、どなたでも参加できます。駒沢にお住まいの方も、別の街にお住まいの方もご参加いただけます。
- 初年度(2024年)の募集期間:
2024年5月10日(金)から6月20日(木)まで - 申込みは必ずご本人が行ってください。
- 話を聞かせてもらう相手(話し手)は、お申込時には未定で大丈夫です。
- お申込み多数の場合「聞き手」は6月中に選考・確定し、お申込みいただいた全員に報告します。
- 参画が確定した「聞き手」は、7/13(土)午後の「オリエンテーション」にご参加ください。「駒沢こもれびスタジオ」(駒沢大学駅 徒歩4分)で開催します。
- 加えて7/20(土)、8/31(土)の「1Dayワークショップ」に参加してください(無料・非公開)。ファシリテーターの西村佳哲が、「駒沢の生活史」で大事にしたい“聞き方”や、生活史の“書き方”について、体験を通じた学び合いの場をつくります。
- 「聞き手」は、夏の間に話を聞き、秋に文章をまとめ、本人確認を終えた原稿を12月までに完成させます。
- 文章は1万字を上限とします。手書きでなく、テキストデータで作成してください。
- 「聞き手」には1万円(税込)の謝金をお渡しします。
- そのほかの詳細は、7/13「オリエンテーション」でお伝えします。
「話し手」について
- 話し手は、「聞き手」がそれぞれ探し、聞き取りを申し込みます。編集部から提案は行いません。話し手の募集も行いません。
- 話し手のお名前は、原則非公開です。主体のプライバシーにかかわる内容は、その特定が難しい表現に修正します。この作業は編集部が協働します。
- 「聞き手」が選ぶ話し手は、「駒沢あたりに住んでいる、あるいは住んでいた」人で、かつ「聞き手がその人の話を聞いてみたい」方であれば、どなたでも大丈夫です。
- 下図がおおよその対象エリアです。(厳密ではありません)
文章の公開について
- 話し手の確認を経た文章は、2025年1月以降、ウェブサイト「駒沢こもれびマガジン」で順次公開します。
- 「東京の生活史」と違って商業出版は目的としていませんが、2~3年取り組みを重ねて、100本以上の生活史が揃った場合は、少部数を刷り造本し、かかわった方々と共有したいと考えています。
いろいろな聞き手が集まり、
他人の人生を聞くことを楽しみ、
よく語る時間が生まれ、
その先であらわれる「駒沢の生活史」をわかち合いたいと思います。